鹿取廣人、杉本敏夫、 鳥居修晃「心理学 第5版」
「I部 こころのありか」ではこころをどう捉えるかから始まり、人間や動物の行動観察などから意識の成立を見て、さらに遺伝と環境が発達に及ぼす影響を概説しています。
「II部 こころの働き」が本書の大部を占めていて、学習と記憶の過程、感覚・近くのメカニズム、思考と言語によるコミュニケーションから社会行動までを広く扱っています。
最後の「III部 こころの探求」では心理学が哲学的な考え方から自然科学的な研究方法に発展してきた歴史的経緯を説明しています。
全体を通して説明は丁寧で分かりやすく、ところどころにトピックとして「パブロフの犬」や「サリーとアンの課題」のような実験内容、双生児・近親者の知能比較のような研究結果などが盛り込まれていて、興味を持ち続けながら通読できました。心理学の基本的なところを広く概観するには良い本だと思います。
私は心理学は専門でもなんでもなく、ユングとフロイトに興味があって心理学をちょっと齧ってみようと思っただけですが、そういうニッチ分野に興味がある人にも本書はお薦めです(ユングもフロイトも本書には少し登場します)。
本書は補訂版が出版されています。
Ermite Parfait
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