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2020年7月5日日曜日

私の本棚4 - 夢判断

続いてもフロイトの著作、

ジークムント・フロイト(Sigmund Freud)「夢判断」(新潮文庫)


これは前に記事を書いた「精神分析入門」の夢の部分がより詳細に書かれたような書籍で、これも上下巻合わせて1,000ページ超えです。

多くの事例を詳細に分析し、他の研究者や哲学者の考えなどもたくさん織り交ぜて議論しているので、「精神分析入門」よりも難易度は高いと思います。なので、「精神分析入門」を読んで夢の分析に興味が強まった方が本書に進むのが良いと思います。

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Bien cordialement,
Ermite Parfait

2020年7月4日土曜日

私の本棚3 - 精神分析入門

続いてご紹介するのは、

ジークムント・フロイト(Sigmund Freud)「精神分析入門」(新潮文庫)


本書は精神分析に関わる医師だけではなく、非専門家も交えた聴衆への講義がもとになっているので専門的知識がなくても読めますが、上下巻合わせて1,000ページを超える著作なので、読む気力だけは必要です。

内容は言い間違いなどの錯誤行為や夢など、誰しも経験することの背景には欲求とそれを抑圧しようとする意識的、無意識的な力が関係していることがあるということ、神経症の患者の症状には錯誤行為や夢と似た面があること、を多くの事例を挙げながら解説し、その背景にある力の根源を解き明かそうとするものです。

言い間違いや夢は言語に依存するので、挙げられている事例(ドイツ語ベース)はそのまま日本語の世界に当てはまるわけではありませんが、ドイツ語の文章も引き合いに出して説明されているので言わんとしていることは理解できます。

また、講義内容を基にしているためか、話し言葉で生き生きと語られていると感じる反面、話が回りくどくなったり、理路整然としていなかったりして、「要するに何?」と思うことも多いです。ずっと前に出てきた夢の事例を引き合いに出されて「それどんな夢だったっけ?」となっても、索引もなく、探しにくいこともあります。

フロイトというと「こういう夢を見るとこうだ」とか「何々が好きな人はどうだ」とか判断することを想像する人がいるかもしれませんが、それはテレビのバラエティー番組や啓蒙書などが面白おかしく言っていることで、本書を読めばフロイトはそんなステレオタイプに物事を考えているわけではないことが分かるでしょう。

通読するのは結構大変ですが、読む価値はあると思います。

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Bien cordialement,
Ermite Parfait

2020年7月3日金曜日

私の本棚2 - ユング心理学入門

心理学の書籍、続いては、

河合隼雄「ユング心理学入門」


左側の少し大きいほうが先に出版された培風館の書籍で、右側が再編集して出版された岩波現代文庫版です。

培風館版の本文の下記の章は岩波現代文庫版には含まれていません。

1. 心の現象学
2. フロイトとアドラー
10. 心理療法の実際
11. 東洋と西洋の問題

他に付録、解説にも相違があります。この4つの章はユングの学説というより河合隼雄による心理学という感じなので、ユング心理学の基本的な知識を得るためであればどちらの版を読んでも問題ないでしょう。

本書ではユング心理学の基本概念であるタイプ、コンプレックス、無意識、アニマ/アニムスなどを例を挙げながら分かりやすく示し、これらが心、自己を統合していることを解説しています。夢分析についても書かれています。

ユング心理学を本書で学んで、次はフロイトの「精神分析入門」と「夢判断」、ユングの自著「自我と無意識」と「分析心理学」に進んでいきます。

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Bien cordialement,
Ermite Parfait

2020年7月2日木曜日

私の本棚1 - 心理学

本棚の整理をしながらいくつかの書籍を順不同で紹介していこうと思います。

鹿取廣人、杉本敏夫、 鳥居修晃「心理学 第5版」


「I部 こころのありか」ではこころをどう捉えるかから始まり、人間や動物の行動観察などから意識の成立を見て、さらに遺伝と環境が発達に及ぼす影響を概説しています。

「II部 こころの働き」が本書の大部を占めていて、学習と記憶の過程、感覚・近くのメカニズム、思考と言語によるコミュニケーションから社会行動までを広く扱っています。

最後の「III部 こころの探求」では心理学が哲学的な考え方から自然科学的な研究方法に発展してきた歴史的経緯を説明しています。

全体を通して説明は丁寧で分かりやすく、ところどころにトピックとして「パブロフの犬」や「サリーとアンの課題」のような実験内容、双生児・近親者の知能比較のような研究結果などが盛り込まれていて、興味を持ち続けながら通読できました。心理学の基本的なところを広く概観するには良い本だと思います。

私は心理学は専門でもなんでもなく、ユングとフロイトに興味があって心理学をちょっと齧ってみようと思っただけですが、そういうニッチ分野に興味がある人にも本書はお薦めです(ユングもフロイトも本書には少し登場します)。

本書は補訂版が出版されています。

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Bien cordialement,
Ermite Parfait