まず、「ナトリウム」と「ソーダ」は同じものです。それなので、
炭酸ナトリウム=炭酸ソーダ
セスキ炭酸ソーダ=セスキ炭酸ナトリウム
のようになります。ナトリウムはドイツ語、ソーダは英語由来ですが、理学系ではナトリウム、工業系ではソーダを使っていることが多いように感じます。以下では基本的にナトリウムで統一しておきます。ソーダのほうが好きな方は読み換えてください。
重曹は重炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムとも呼ばれます。重炭酸ソーダを略して重曹です。化学式は以下のとおりです。
$$\mathrm{NaHCO_3}$$
炭酸ナトリウムの化学式は、
$$\mathrm{Na_2CO_3}$$
セスキ炭酸ナトリウムは、
$$\mathrm{NaHCO_3・Na_2CO_3}$$
このようにセスキ炭酸ナトリウムは重曹と炭酸ナトリウムがくっついたものです。
いずれも水に溶かすとアルカリ性を示し、アルカリの強さは
重曹 < セスキ炭酸ナトリウム < 炭酸ナトリウム
となります。いずれの水溶液も似たようなイオンが異なる割合で存在しているものなので、性質的にも似たようなものになります。強い洗浄効果が欲しい場合はアルカリの強い炭酸ナトリウム、少しマイルドなほうが良ければセスキ炭酸ナトリウムか重曹、みたいな使い分けでいいのではないでしょうか。入浴剤としては上記の中では一番マイルドであることと、天然温泉でも炭酸水素塩泉があることから、重曹がお薦めです。
「過炭酸ナトリウム」に話を移します。
名前が似ているので同じようなものと思われるかもしれません。同じようなものとも言えますが、全く違う面があります。過炭酸ナトリウムの化学式は、
$$\mathrm{2Na_2CO_3・3H_2O_2}$$
化学式の前半は先述の炭酸ナトリウムですが、後半は過酸化水素です。過酸化水素は殺菌に用いられるオキシドールの成分で、酸素系漂白剤としても利用されています。
炭酸ナトリウムは洗浄作用があり、過酸化水素は漂白・殺菌作用があるので、過炭酸ナトリウムは漂白剤入りの洗剤と考えることができます。
重曹、セスキ炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウムは洗剤としても、使用量に注意すれば入浴剤としても使えますが、過炭酸ナトリウムは入浴剤として使わないほうがいいです。
ということで、我が家には入浴剤として食用として市販されている重曹を、洗濯とキッチン用の漂白剤として過炭酸ナトリウムを常備しています。
さて、重曹を入浴剤として使う場合、量はどのくらい入れるかですが、大さじ数杯から試して適当に量を増やせばよいかと思います。我が家は肌が弱いこともなく、コップ1杯くらい入れても何も問題はありません。そのくらい入れるとただのお湯との違いがはっきり判ります。濃いお風呂に入った後には肌が少しかさついたり、髪がごわついたりする場合があるので、最後に全身をシャワーで流して、髪はコンディショナーなどで整えて、出た後には肌には保湿をするのがいいかと思います。
重曹と合わせてクエン酸
$$\mathrm{C_6H_8O_7}$$
を使うと炭酸風呂もできます。化学反応はこんな感じです。
$$\mathrm{C_6H_8O_7 + 3NaHCO_3} \longrightarrow \mathrm{Na_3C_6H_5O_7 + 3H_2O + 3CO_2}$$
クエン酸1モル(192.12g)に対し、重曹3モル(3 x 84.01g)でちょうどよさそうなので、クエン酸1に重曹1.3くらいの重量割合で混ぜると無駄なく炭酸が作られると思います。
でも重量を測って入れるのも面倒です。我が家で試した限りでは、クエン酸は顆粒で容器内に隙間ができ、重曹はきめ細かいパウダー状で容器に密に入るせいか、同じ体積でだいたい重量は1:1.3くらいになるようです。そのため、重曹とクエン酸を同じ体積(例えばコップ一杯)入れて炭酸風呂を作ればだいたいOKです。
炭酸風呂の作り方は、まず重曹をお湯全体に溶かし、その後同体積のクエン酸をお風呂全体にまんべんなく撒きます。すると、クエン酸の顆粒から細かい泡が出てきます。底に沈んでいても自然に溶けるので放置しておけばよいでしょう。逆にバシャバシャ混ぜると気が抜けやすいと思います。
炭酸風呂の注意点としては、
・ぬるめのお湯のほうが良い
・濃い場合は念のため喚起をする
です。炭酸は温度が高いほど気が抜けやすいのでぬるめのほうが長続きするはずですし、炭酸(二酸化炭素)が発生するので濃い場合は喚起をしたほうが安全です。肌や髪の扱いは重曹だけを使った場合と同じで良いと思います。
Don't Go To キャンペーン、家のお風呂を楽しんでくださいませ。
(注)写真はイメージです。
我が家で使用している重曹、クエン酸、過炭酸ナトリウムはこちら。
Ermite Parfait
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